従前のコスト削減施策とは、具体的にどのようなものがあったのでしょうか。私自身の仕事を振り返ってみたいと思います。
まずは人の削減です。私が所属する会社の情報システム部門では、社員が担う部分よりも外部委託する割合が非常に高かったように感じます。具体的には、全体の業務量を10とした場合、社員が2割残り8割を外部委託先会社へ業務を依頼していたように感じます。とすると、必然的に委託先へ支払う人件費が高額となり、これが固定費にも反映されるようになります。とくに、情報システムの運用に至っては、ほぼすべての運用業務を外部へ委託していたと思います。この傾向は今も変わっておりません。したがって、この人件費を削減するための工夫を様々行ってきました。例えば、システムの一部運用業務を当時は人件費の安い海外へ移管するようなことも行いました。今から20年ほど前の中国は、今ほど人件費は高騰していなかったため、IT特区とされた深センや大連などのデータセンターへ一部業務を日本から移管し、安価で優秀な中国人を雇うことで、移管費用を考えてもコスト削減に貢献できていました。
また、国内に業務を残す場合であっても、より人件費が安い委託先を選定したり、相当強引に委託先へ値引きを迫ることでコスト削減を行ってきました。